FX(外国為替取引)において、オープンオーダーやオープンポジションの分布は、市場の参加者がどのレベルで売買を行う予定であるか、または既にどのレベルでポジションを保有しているかを示します。これらの情報は、市場の心理や潜在的なサポートおよびレジスタンスレベルを理解するのに役立ちます。以下に、レートが上下したときに予想される動きをいくつか説明します。
Oandaオープンブックでは、オープンオーダーとオープンポジションを公開しています。
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OANDAオーダーブック(オープンオーダー・オープンポジション)
OANDAオーダーブックとは、世界中に顧客を持つOANDAグループの顧客の取引状況をグラフ化したものです。世界中のトレーダーがどのように市場を分析しているのかを探る上で重要なデータであり、その後の値動きの予想を行う上で参考になります。
1. オープンオーダーの分布
オープンオーダーは、現在は約定していないが、将来的にレートが特定のレベルに達したときに執行される注文です。主に「指値注文」や「逆指値注文」があります。
- レートが上昇する場合(買い注文が多い場合): レートが上昇していくと、上の価格帯に多くの売り注文(指値売り)がある場合、これらの注文がレートの上昇を抑制する可能性があります。逆に、買い注文(指値買い)が多い場合、レートの上昇が強まりやすいです。
- レートが下降する場合(売り注文が多い場合): レートが下降していくと、下の価格帯に多くの買い注文(指値買い)がある場合、これらの注文がレートの下降を抑制するサポートとして機能する可能性があります。逆指値売り注文が多い場合、それらが執行されるとさらに下落圧力が強まることがあります。
2. オープンポジションの分布
オープンポジションは、現在市場で保有されている未決済のポジションです。これにはロング(買い持ち)とショート(売り持ち)のポジションがあります。
- ロングポジションが多い場合(買いポジションが多い場合): レートが下降すると、ロングポジションのトレーダーが損失を避けるために売却する可能性があり、これがさらなるレートの下降を引き起こすことがあります。逆にレートが上昇すると、利益を確定するための売却(利確)が発生し、上昇が抑えられることもあります。
- ショートポジションが多い場合(売りポジションが多い場合): レートが上昇すると、ショートポジションのトレーダーが損失を避けるために買い戻しを行い、これがさらなるレートの上昇を引き起こすことがあります。逆に、レートが下降すると、利益を確定するための買い戻し(利確)が発生し、下降が抑えられることもあります。
まとめ
オープンオーダーやオープンポジションの分布を分析することで、潜在的なサポートとレジスタンスのレベルを特定し、レートが特定の価格帯に達したときの市場の反応を予測するのに役立ちます。これらの情報はトレーディング戦略の構築において非常に有用であり、市場の心理を理解するための重要な要素です。ただし、これらはあくまで参考情報であり、他の市場要因やニュースイベントとも組み合わせて判断することが重要です。
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