

FXの掲示板を見ていると、時折『この時間帯はドル買いが進むからロングを入れた』などの発言があります。あくまで傾向ではありますが、一般的な動きの基本を押さえておくことは重要です。
USD/JPY(米ドル/円)の通貨ペアでは、曜日や時間帯ごとに円高または円安になりやすい傾向が見られる場合がありますが、これらの傾向は過去のデータや特定の市場状況に依存します。完全に予測できるものではありませんが、以下に一般的な傾向をまとめます。
1. 曜日ごとの円高・円安の傾向
- 月曜日:
- 月曜日は市場参加者が週末のニュースやイベントを反映させるため、慎重な取引が多くなります。週末のリスク回避の動きから、月曜の早い時間には円高になりやすい傾向が見られることがあります。特にリスクオフのセンチメントが高まると、円が安全資産として買われる傾向が強くなります。
- 火曜日・水曜日:
- 火曜日と水曜日は、一般的に取引量が増加する日であり、特に水曜日には米国の経済指標が発表されることが多いため、ドルに関連する動きが大きくなります。
- 特定の経済指標が発表されると、その内容次第で米ドルが強くなり円安が進むこともありますし、逆に米国の経済データが悪化すると円高になることがあります。
- 木曜日:
- 木曜日は、米国と日本の重要な経済指標が発表される日であることが多く、これに基づいた取引が増えます。ボラティリティが高まるため、明確な方向感を持つことが難しい日ですが、経済データによっては大きな円高や円安の動きが見られることがあります。
- 金曜日:
- 金曜日は、週末を前にしたポジション調整や利益確定が行われるため、午後から夕方にかけてボラティリティが高まりやすいです。週末にかけてリスク回避の動きが強まる場合、円が買われて円高になることがあります。特に、リスクオフの状況(株式市場の下落や地政学的リスクが増大する場合など)では、円が買われやすくなります。
2. 時間帯ごとの円高・円安の傾向
- 東京市場の時間帯(日本時間9時~17時):
- 東京市場の開いている時間帯では、主に日本の輸出企業が為替取引を行うため、円の需要が高まる傾向があります。特に、月末や四半期末には、日本企業が海外での収益を円に換えるため、円高が進むことがよく見られます。
- また、東京時間では、相対的に流動性が低いため、大きなトレンドが出にくいことがありますが、アジアの経済データや日本の中央銀行(日本銀行)の政策発表があると、円に大きな影響を与えることがあります。
- ロンドン市場の時間帯(日本時間17時~翌2時):
- ロンドン市場が開くと、欧州の大口投資家や金融機関が取引に参加するため、流動性が高まり、ボラティリティも上昇します。この時間帯では、特に円に対する明確なトレンドが現れることは少ないものの、欧州や米国の経済データが発表された場合、リスクオン/リスクオフの動きに応じて円高または円安が進行することがあります。
- ニューヨーク市場の時間帯(日本時間22時~翌6時):
- ニューヨーク市場が開く時間帯は、特にUSD/JPYにとって重要です。米国の経済指標の発表やFRB(連邦準備制度)の発表が行われる時間帯であるため、米ドルに対する円の動きが大きくなることが多いです。
- 米国の経済データが良好であれば、米ドルが買われ円安が進みます。逆に、米国の経済データが悪化すると円高に進むことがあります。
- セッションの重なり時間(日本時間17時~翌2時頃):
- ロンドン市場とニューヨーク市場が重なる時間帯は、FX市場全体の流動性が最も高く、USD/JPYの取引も非常に活発になります。この時間帯では、米国と欧州の投資家のリスク志向が反映され、円安や円高が急激に進行することがあります。特にリスクオンの場合は円安、リスクオフの場合は円高に向かいやすいです。
3. リスクオン・リスクオフの影響
円は「安全資産」として認識されているため、リスクオン/リスクオフの状況に大きく影響されます。
- リスクオフの状況(市場が不安定、株価が下落、地政学的リスクが高まるなど):
- 安全資産としての円が買われ、円高が進行しやすくなります。特に世界的なリスク要因が高まると、米ドルから円への資金の流れが増え、円高に進むことがあります。
- リスクオンの状況(市場が安定、株価が上昇、投資家がリスクを取る姿勢を持つ):
- 投資家がリスクを取りやすい環境では、円が売られ、円安が進みやすくなります。特に、リスクオンのセンチメントが強いときは、キャリートレードなどで円が売られる傾向があります。
まとめ
USD/JPYの取引における円高・円安の傾向は、曜日や時間帯によって異なる動きを見せることがあります。月曜日はリスク回避の動きで円高になりやすく、金曜日には週末を前にしたポジション整理で円高が進む場合があります。また、米国や日本の経済指標の発表が重なるときには、特定の時間帯に大きな動きが見られることが多いです。
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